煩雑な転勤の手続きを自動化

コラム

社宅代行の費用はどう決まるか|料金体系の3類型と相場、見積もりの見方

「社宅の管理を外注したいが、いくらかかるのか分からない」

社宅代行サービスの料金は「要問い合わせ」となっていることが多く、比較検討の入口でつまずく担当者が少なくありません。

結論:料金は「戸数×月額」が基本。戸数が少ないと割高になりやすい

社宅代行の費用は、管理する戸数に応じた月額料金が基本です。一般に公開されている情報では、1戸あたり月額1,000〜3,000円程度が目安とされ、これに初期導入費用とオプション料金が加わります。

重要なのは、この料金体系が「継続的に管理すること」への対価だという点です。社宅の戸数が少ない会社や、年に数件の手配だけが必要な会社では、月額の管理費を払う意味が薄くなります。自社に必要なのが「管理」なのか「手配」なのかを先に見極めてください。

社宅代行の料金体系は3つの類型に分かれる

サービスの提供方式によって、料金の考え方が変わります。

類型仕組み費用の傾向
管理戸数連動型管理する社宅の戸数に応じて月額課金戸数が多いほど有利
転貸型(サブリース)代行会社が貸主から借り、企業へ転貸する手数料は高め。契約名義と法的責任を代行会社が引き受けるため
オプション課金型基本料金+依頼した業務ごとに課金依頼範囲を絞れば抑えられる

転貸型は費用が高くなりやすい一方、敷金の負担が軽減されるなど、総額では相殺されることもあります。単価だけでは比較できません。

費用の相場

月額の代行手数料

項目目安
1戸あたり月額1,000〜3,000円程度
最安水準500円/戸程度

管理戸数や委託する業務範囲によって変動します。

初期導入費用

項目目安
初期費用無料〜数十万円

登録手続きや管理システムの初期設定費として発生します。無料の会社もあれば、数十万円かかる会社もあります。ここは会社によって差が大きい部分です。

オプション費用

以下は別料金になることがあります。

オプションになりやすい業務
社宅規程の作成
契約更新の手続き
退去立会い
原状回復費用の精算
家賃の送金代行

※ 上記は一般に公開されている情報をもとにした目安です。実際の料金は各社の見積もりでご確認ください。

見積もりで確認すべき5つのポイント

「1戸あたり月額◯円」だけを見て比較すると、後から想定外の費用が出ます。

① 基本料金にどこまで含まれるか

新規契約の手続き、更新、解約、退去精算——どれが基本料金の範囲で、どれがオプションか。ここの線引きが会社によってまったく違います。

② 最低契約戸数はあるか

大手の社宅代行には最低戸数の条件がある場合があります。社宅が数戸しかない会社は、そもそも契約できないことがあります。

③ 初期導入費用の有無

無料〜数十万円と幅があります。戸数が少ない場合、初期費用を月額の削減効果で回収できるまで何年かかるかを計算してください。

④ 家賃送金の手数料は別か

家賃の立替・送金代行は、1戸あたりの送金手数料が別途かかることがあります。

⑤ 解約時の条件

最低契約期間、解約予告の期間、契約途中で解約した場合の扱い。導入時には説明されにくい部分です。

戸数が少ない会社は割高になりやすい

社宅代行の料金は、戸数が多いほど1戸あたりの負担が下がる構造になっています。逆に言えば、戸数が少ない会社ほど割高になります。

簡単な試算

1戸あたり月額2,000円、初期導入費用20万円と仮定した場合。

社宅の戸数年間の管理費初期費用を含む1年目
3戸72,000円272,000円
10戸240,000円440,000円
50戸1,200,000円1,400,000円

3戸の会社が1年目に27万円を払って何が減るか——ここを冷静に見てください。契約更新が年に1〜2件、解約が年に1件という規模であれば、外注の効果は限定的です。

※ 上記は仮定値による試算です。実際の料金は各社の見積もりによります。

「管理」と「手配」は別のサービスです

ここが、社宅の外注でもっとも混同されやすい部分です。

比較項目管理手配
いつ発生するか毎月・継続的転勤が発生したときだけ
主な業務家賃送金、契約更新、台帳管理、退去精算条件整理、物件の絞り込み、内見調整、契約手続き、ライフライン開通
料金の考え方戸数×月額1件ごと
向いている会社社宅を多数保有し、常時運用している転勤のたびに手配が発生する

社宅代行サービスの多くは「管理」を主軸にしています。月額課金という料金体系がそれを表しています。

一方、中小企業で実際に困っているのは、「年に数回、転勤が発生したときの手配」であることが多くあります。

この場合、月額の管理費を払い続けるより、発生したときだけ手配を外注するほうが、費用の考え方としては合理的です。

自社対応と外注、どこで判断するか

金額だけでなく、社内の状況で判断してください。

こういう状態なら判断
社宅が10戸以上あり、更新・解約が毎月発生する管理の外注を検討
転勤が年に数回。管理する戸数は少ない手配だけの外注を検討
総務が兼任で、手配のたびに他業務が止まる外注を検討
手配は年1回程度で、社内に経験者がいる自社対応で足りる

自社対応のコストを見積もる方法

外注費と比較するには、自社でやった場合のコストを出す必要があります。

  1. 1件の手配にかかった時間を記録する(条件整理から入居まで)
  2. 担当者の人件費を時給換算する
  3. 掛け合わせて1件あたりの人件費を出す
  4. 年間の手配件数を掛ける

この数字が出れば、見積もりが高いか安いかを判断できます。「なんとなく高い気がする」で止まっているケースが多いので、一度計算してみてください。

よくある質問

Q. 社宅代行の費用相場はいくらですか

一般に公開されている情報では、代行手数料は1戸あたり月額1,000〜3,000円程度が目安とされています。これに初期導入費用(無料〜数十万円)とオプション費用が加わります。委託する業務範囲や管理戸数によって変動するため、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。

Q. 社宅が数戸しかなくても依頼できますか

サービスによっては最低契約戸数が設定されている場合があります。戸数が少ない会社は、月額の管理費を払うより、手配が発生したときだけ委託する形のほうが費用面で合理的なことがあります。

Q. 初期導入費用は必ずかかりますか

無料の会社もあれば、数十万円かかる会社もあります。管理システムの初期設定や登録手続きの費用として設定されていることが多いため、見積もり時に必ず確認してください。

Q. 転貸型と業務代行型では、どちらが安いですか

一般に転貸型のほうが手数料は高めになります。契約名義と法的責任を代行会社が引き受けるためです。ただし敷金の負担軽減など別のメリットがあるため、単価だけでは比較できません。総額と、社内に残る業務の量で判断してください。

Q. 社宅代行の費用は経費になりますか

事業に関連する費用として計上できるのが一般的ですが、勘定科目や処理方法は契約形態によって異なります。顧問税理士へご確認ください。

Q. 「管理」と「手配」はどう違いますか

管理は家賃送金・契約更新・台帳管理など、社宅を保有している間ずっと発生する業務です。手配は転勤が発生したときの物件探しから入居までの業務です。多くの社宅代行サービスは管理を主軸とした月額課金であるため、手配だけが必要な会社には料金体系が合わないことがあります。

まとめ

  • 社宅代行の料金は管理戸数連動型・転貸型・オプション課金型の3類型
  • 相場は1戸あたり月額1,000〜3,000円程度、初期費用は無料〜数十万円
  • 戸数が少ない会社ほど割高になりやすい
  • 見積もりでは基本料金の範囲・最低戸数・初期費用・送金手数料・解約条件を確認
  • 必要なのが「管理」か「手配」かを先に見極める

手配だけを、発生したときに委託するという選択肢

「社宅は数戸だけ。転勤のたびの手配が大変で、月額の管理費を払うほどではない」

このような場合、手配業務だけを都度お引き受けする形が合います。

株式会社FACXIAでは、法人のお客様の社宅・転勤にともなう住まいの手配について、ご要望の整理から入居までの進行管理を一本化してお引き受けしています。BPOの初期費用・月額利用料は原則としていただいておりません。物件のご案内・重要事項説明・契約手続きは、提携する宅地建物取引業者が担当します。

ご相談は無料です。まずは現在どこに手間がかかっているかをお聞かせください。

お問い合わせはこちら
執筆者

大木 康嗣(おおき やすつぐ)
株式会社FACXIA 代表取締役


不動産仲介の実務を経験したのち、株式会社FACXIAを設立。法人向けの社宅・転勤手配BPOサービス「Tech Housing」を運営し、実際に企業の住まいの手配を担当している。

お問い合わせ無料で事前登録